Ubuntu 16.04でATOK X3を使う

Ubuntu 16.04でATOK X3を利用する方法を紹介します。デスクトップ環境は、gnome-session-flashbackで確認しています。(2016/5/16 検証済み)。

Ubuntu 18.04版はこちらです。

インストールと調整に1時間ほどかかるかもしれませんが、快適な日本語入力環境が手に入ります。コメント欄で出来る限りサポートしてみたいと思いますので、お気軽に書き込んでいただければ幸いです。

さて、やり方ですが、基本的には、下記の素晴らしいリンク先サイトの記事に沿って、最後までインストールを進めます。なお、途中で再起動やログアウトをしないでください。変更点を適用してから再起動してください。

そのあと、いくつか変更点がありますので修正していきます。

変更点1.

このままだとNetworkManagerがDHCPを取得できないという奇妙な問題が生じます。この問題を解消するためには、上記手順でのインストール後に、下記の操作を行います。(この通りに打ってください。sudo -sは重要で、アレンジするとたぶん失敗します。)

sudo -s
mkdir /run/iiim
rm -rf /var/run
ln -s /run /var/run

この問題の原因は、Ubuntuでは/var/runが/runへのシンボリックリンクであるのに対し、ATOK X3のインストーラがtarでこれを上書きして/var/runディレクトリを作成してしまうことで、不整合が生じることです。

確認した範囲では、Ubuntu 14.04.4, 15.04, 15.10のすべてで同じ問題が生じました。/var/runがシンボリックリンクになったのは11.10からだそうですが、DHCPの問題が生じるようになった時期は、ちょっと不明です。

変更点2.

GNOME3のロケールを日本語にしてください。私はこれでハマりました。

「System Settings→Language Support→Language for menus and windows」で「日本語」をドラッグアンドドロップし、一番上にします。ここを日本語にしておかないと、ウィンドウの左下に表示されるATOKという文字が、[No IM connected]と表示されてしまい、ATOKを利用できません。設定変更にはログアウトが必要になります。

「日本語」をドラッグアンドドロップするとLanguage Selectorがエラーを吐く現象に遭遇しました。対処方法は残念ながら見つかりませんでしたが、Ubuntuの再インストールで解決しました。

変更点3.

リンク先サイトの最初に書かれているim-switchのインストールですが、「im-configが代わりに提供されているよ」というメッセージが出るだけで、インストールできません。これは問題ありませんが、代わりに、次の通りに~/.xinputrcを作成します。

export XMODIFIERS=@im=iiimx
export GTK_IM_MODULE=iiim
export QT_IM_MODULE=xim

iiimx -iiimd

変更点4.

リンク先サイトで作成している~/.config/autostart/atok.desktopは、変更点3.を行ったため、不要になります。作成すると挙動がおかしくなりますので、削除して下さい。

ここまでの変更点を一気に修正したら、再起動してください。うまくいかなければ1つずつ見直し・やり直ししてみて下さい。(私もだいたい2回目くらいでうまくいきます。)

以上、ご参考になりましたら幸いです。また、ご質問・ご指摘等がございましたらコメントをよろしくお願いいたします。

Ubuntu 16.04でATOK X3を使う」への6件のフィードバック

  1. 64bitのUbuntuを既定のデスクトップ環境(Unity)で使用しておりますが、リンク先の手順+こちらの手順でうまくいかない箇所がありましたので、参考までにご報告します。

    自分の環境では、リンク先手順のATOK X3のインストーラの実行の箇所で「libpangoxft-1.0.so.0: cannot open shared object file」といったエラーが出ていて、そのまま一通りの手順を実行しても期待通りの結果は得られませんでした。
    エラーメッセージで検索して出てきたStacktraceのスレッド http://askubuntu.com/questions/409310/error-while-loading-shared-libraries-cannot-open-shared-object-file-no-such-fihttp://askubuntu.com/questions/401408/glassfish-updatetool-error-loading-libpangoxft-1-0-so-0 に似た事例があり、以下のようにして32bit版のパッケージをインストールするという解決策が書かれていたため、これを試してみた所、動くようになりました。

    sudo apt-get install libpangoxft-1.0-0:i386 libpangox-1.0-0:i386

    こちらは手順としては、リンク先に記載がある依存パッケージのインストールの箇所の追加項目にあたると考えられます。

    1. 返信が遅くなり申し訳ございません。
      ご指摘の通りかと思います。

  2. 連続のコメント失礼いたします。

    自分の環境では他に、以下の問題も起こっておりました。

    * ログインしてもATOKパネルが表示されない(ATOK X3が起動していない)
    * ツールチップを非表示にするツールを起動する指定をリンク先の記事の内容通りに /etc/X11/xinit/xinput.d/iiimf に記入しても効果がない

    それぞれ /opt/atokx3/bin/atokx3start.sh と /opt/atokx3/sample/iiimf_status_hide を手動実行すれば解消されるのですが、さすがにそれはどうかと思ってもう少し試してみた所、こちらの記事で設定を記述されている ~/.xinputrc の末尾に以下の2行を追記すれば、ログインした段階で上記の2つの問題が解消された状態になりました。

    /opt/atokx3/bin/atokx3start.sh
    /opt/atokx3/sample/iiimf_status_hide

    1. 返信が遅くなり申し訳ございません。
      情報をありがとうございます。
      Ubuntu 20.04の記事を書くときに情報に含めさせていただいてよろしいでしょうか。

  3. どうも、はじめまして。

    Ubuntu 16.04 32-bitで、ATOK X3を使いたいと思い
    Googleで検索したところ、こちらのページに辿り着き、
    いろいろチャレンジしていますが、うまくできません。

    ATOK X3のインストールはできましたが、
    アップデートモジュールを適用する際、エラーになってしまいます。

    sudo ln -s /usr/bin/update-alternatives /usr/sbin/

    ln: failed to create symbolic link ‘/usr/sbin/update-alternatives’: File exists

    sudo bash /opt/atokx3/sample/setting_debian4.sh

    /etc/X11/xinit/xinput.d/iiimf: No such file or directory
    update-alternatives: error: alternative path /etc/X11/xinit/xinput.d/iiimf doesn’t exist
    update-alternatives: error: no alternatives for xinput-ja_JP

    Ubuntu 14.04 32-bitで試したときは、問題なく動作しましたが、
    Ubuntu 16.04 32-bitではうまくできません。

    解決方法などがあればご教示ください。よろしくお願いします。

    1. 返信が遅くなり申し訳ございません。
      エラーを無視したら動きませんでしょうか?

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